メーデーから5月4日日曜までの連休も再びパオラRの田舎の家にお呼ばれしてきたので、また彼女の素敵なお料理の写真も色々撮って来ましたが、二週続けて他人の料理を投稿したので今週は自分の料理の投稿に戻ります。
イラクサのレシピは以前クネアツでジュゼッペが作った「イラクサ入り生パスタ」を投稿する予定でいましたが、今回の様にイラクサペーストを作って冷凍しておくと、パスタやリゾット、チャーハン、豆類などに和えて手軽で美味しく美しい料理が簡単に出来て便利なので、先にご紹介することにします。
西洋イラクサ(ネトル)と日本のイラクサの違いは何かとAIに尋ねると「同じ」という返事なので、試されたい方は日本のイラクサでお試し下さい。
イラクサは名前通り生の葉に触るとチクチク刺す様な雑草。
繁殖力の強い雑草なのでイタリアだと少し街の郊外に行けば、道端に沢山生えています。
イラクサ属の植物は、古代エジプトの時代から関節炎の治療に使用されてきたそうで、薬効は、テオプラストス、大プリニウス、ヒポクラテスなど多くの古代ギリシャ人、古代ローマ人によって報告されています。
例えば、古代ローマの兵士は筋肉疲労やリウマチの治療にイラクサを使用していました。中世から現代に至るまで、医学書や植物学書にはイラクサの様々な用途が記載されています。
貧血、リウマチ、関節炎、湿疹、喘息、皮膚感染症、腸痛の治療などがあり、脱毛症、痔、痛風の治療薬としても使用されて来たとのこと。
現代の研究では、関節炎、リウマチ、アレルギー性鼻炎、尿路感染症、心血管疾患、前立腺肥大症の治療に効果があることが科学的に証明されています。
また食品としての栄養価はカルシウム、鉄、カリウムなどのミネラル、ビタミン(ビタミンA、ビタミンC)、タンパク質、アミノ酸が豊富に含まれていて、栄養価の高い食品です。
野生の雑草で(つまり無料で手に入り)こんなにいいこと尽くめな食材というのも珍しいのではないでしょうか?
但し、 糖尿病患者、妊婦、授乳中の女性は十分な検証がされていないので推奨されないとのこと。また、カリウムが多いので腎臓疾患のある方にはお勧めできません。
食用のイラクサの摘み方と季節
イラクサは人の膝丈から胸くらいの高さまでに育ちます。野生のものは上から3、4節までの上部のみを摘み取ります。
時期的には春から秋まで元気な植物ですが、食用としては特に花が咲く前の春のイラクサが美味しいと言われています。
基本となるイラクサペーストの作り方
<材料> 5-6食分
・イラクサ 葉のみ120枚程度
・オリーブオイル 60-80ml(好みで加減)
・塩
<作り方>
1・イラクサは葉の細い茎も取り、葉だけをよく洗います。
2・鍋にたっぷりの湯を沸騰させ1を投入します。
*ここまでは必ずゴム手袋で作業して下さい。
そうでないと手がかぶれ、大変なことになります。
3・2を2分間茹でたら湯を切り、流水で粗熱を取り、絞ってから氷水を入れたボールに入れ、数分冷やします。
*この工程は茹でたての鮮やかな緑を保つために行います。
4・3を固く手で絞りブレンダーでオリーブオイルとペースト状になるまで良く混ぜ、最後に軽く塩をします。
*多めに作ったら概ね一人分ずつ、製氷皿で固め、冷凍保存すると必要な分だけ取り出せて便利です。
*イラクサのチクチク刺す特性は加熱すると消えます。
火を通す方法としては、上記のように茹でる他に、無水で火にかけイラクサの水分で炒め煮の様に加熱する方法もありますが、茹でるよりも緑色が濃くなり、ヌメヌメ感が残ります。それが美味しいと思う方もいるかもしれないので、お好みで方法を選んで下さい。
イラクサペーストのパスタ
<材料> 二人分
・イラクサペースト 60g
・パスタ 160g
・パスタ用塩
・リコッタサラータ 30g
*リコッタサラータの入手が難しければフェタチーズでもOK
・スペックハムまはたベーコン 80g
*ベジタリアンは省略可
<作り方>
1・鍋に湯を沸かし沸騰したら水の1%の塩を加えパスタを投入します。
2・パスタの茹で湯を大さじ1、イラクサペーストに混ぜて味を馴染ませます。
3・熱したフライパンに油を敷かずにスペックハムまはたベーコンを広げ、カリカリに焼きます。
4・1のパスタが茹で上がったら2に混ぜて和えます。
5・4を皿に盛り、リコッタサラータまたはフェタチーズを砕きながら散らし、最後に3を飾って仕上げます。
ひよこ豆のイラクサペースト和え
<材料> 二人分
・イラクサペースト 50g
・乾燥ひよこ豆 100g
・リコッタサラータ 20g
*チーズの嫌いな人は省略可。
*リコッタサラータの入手が難しければフェタチーズでもOK
<作り方>
1・乾燥ひよこ豆は食べる2-4時間前に水から茹でて1、2分沸騰させスープジャーに入れておきます。
2・食べる直前に1の水を切ったら、イラクサペーストと和えます。
3・2を皿に盛り、上にリコッタサラータを散らしていただきます。
イラクサペーストのイタリアトリコロール炒飯
イタリア国旗のトリコロールは本来の意味よりもトマト、スパゲッティ、バジリコと考えた方が納得できる感じがしますが、今回はイラクサペースト、ポーチドエッグ、乾燥トマトでイタリアトリコロールを作ってみました。
味の取り合わせとしては絶妙です。
*適当に作ったので工程写真はありません。
<材料> 二人分
・白米 160g
*または余りご飯 350g程度
・玉ねぎ 2個
・ニンニク 1カケ *省略可
・イラクサペースト 50g
・オイル漬け乾燥トマト 6切れ
・卵 2個
・塩、胡椒
*写真にはリコッタサラーも写っていますが全く不要です。
イラクサペースト、ポーチドエッグ、乾燥トマトのコンビネーションを楽しんで下さい。
<作り方>
1・中華鍋に小さく刻んだニンニクとオリーブオイルを熱します。
2・ニンニクが少し色付いてきたらみじん切りにした玉ねぎを加えます。
3・2が色付いてきたらご飯を加え炒めます。
*余りご飯がないときは、ニンニクを炒め始める前に水から12-13分程度茹でると炊飯器を使うより短時間で用意可能です。
4・3が適当に炒め上がったら塩胡椒で味を整えます。
5・3と並行して別の小さめの鍋でポーチドエッグを二つ作っておきます。
ポーチドエッグの作り方はこちらの<作り方>3-1から3-4をご覧ください。
https://note.com/kajorica/n/n1ca59f649298
6・4を皿にいれ、中央にポーチドエッグを、左右にイラクサペーストと細く切ったオイル漬け乾燥トマトを盛り付け、イタリアトリコロールにします。
7・いただく時は、全体をよく混ぜていただくと各食材の味のコントラストが美味しいです。
パオラRは根の近くから刈ったものを水に漬けて発酵させて植物の肥料にしている。
イラクサの葉を水に浸して作られるイラクサ液は、天然肥料であり、駆虫剤で、有機農業やバイオダイナミック農業で広く利用されている薬効成分です。イラクサ液は窒素、鉄、マグネシウムを豊富に含み、植物の成長を促進し害虫や病気から守ります。
但し発酵中悪臭を放つので庭やバルコニーのない方にはお勧めできません。
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