パオラRは今まで何度も登場している同名のパオラGの友人。お料理が大好きで4日間のロングウィークエンドの間いろいろな料理を作ってくれたので、その中で最も素敵で初めて食べた、イタリア中部のウンブリア地方のイースター・ケーキのレシピを紹介します。
ウンブリア州の位置
この料理はウンブリア地方の伝統的なイースターの朝食メニューで、コッパと呼ばれる豚の首の部分のハムなどと一緒に食べるのだそうです。
「チーズピザ」や「イースターピザ」「トルタ・ディ・パスクア」(イースターケーキの意)とも呼ばれていますが平たいピザには似ても似つかず、「チーズ味のケーキ」とか「チーズ味のパン」と呼ぶ方がしっくりきます。
オルトレポーのイースターとパオラRのイースター料理の話はレシピの後に
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<材料>
・牛乳 150g
・ビール酵母 20g
・薄力粉 500g
・パルミジャーノ・レッジャーノチーズ おろしたもの (粉状)100g
・ペコリーノチーズ おろしたもの (粉状)75g
・エクストラバージンオリーブオイル 100g
・エメンタールチーズ 粗くおろしたもの 100g
・塩 10g
・卵 4個
<作り方>
1・ビール酵母を人肌に温めた牛乳に溶かします。
2・小麦粉、ペコリーノチーズ、パルメザンチーズを混ぜ合わせ、追って卵も加えます。
3・1と2を混ぜ最後にオリーブオイルを加え、手から簡単に離れる生地になるまで混ぜ合わせます。
4・塩、ひとつまみのこしょう、そして大きめの穴のおろし金ですりおろしたエメンタールチーズを加えて生地を完成させます。生地を丸めて、バター(またはオイル)を塗った型に入れます。
*この分量でリング型ならば直径18cm、高さ10cmの型でちょうど良いので、目安にしてください。
5・生地が型いっぱいに膨らむまで暖かい場所で約2時間発酵させます。
*パオラRは暖炉の前に置いていました。
6・180℃で55~60分焼きます。表面が焦げすぎそうな場合は、アルミホイルで覆います。
7・竹串を通して何もついて来なかったら焼き上がり。
8・型から外しテーブルに運びます。
オルトレポーのイースターとパオラRのイースター料理
昨年のイースターは4月上旬だった上、標高2000mのパオラGの山の家で雪の中に埋まっている様で、家の前の写真とともに「ハッピー・イースター」のメッセージを友人たちに送ると、「メリークリスマス」という返事が返って来たほどだった。
今年はパオラGの友人のパオラRの招待でオルトレポーと呼ばれる、私の住んでいるロンバルディア州の最南端の丘陵地帯にある彼女の「田舎の家」にお呼ばれし、金曜からイースターマンデーの月曜まで過ごして来た。
オルトレポーとは「ポー川の向こう側」という意味でミラノから見て、文字通りポー川の向こう側の丘陵地帯。葡萄畑が広がり、ワインの産地としても知られている。
オルトレポーの丘陵地帯
パオラRの田舎の家は CASA DEL GATTO 「猫の家」と呼ばれる小さな集落にあり、元々は22歳年上の夫が63歳で年金生活に入った時に葡萄とラベンダーを栽培する目的で畑付きで購入したものだという。
近所の葡萄畑
その夫は数年前に亡くなり、畑は売ってしまったので、今では広ーい庭付きの別荘の様になっている。半日草むしりを手伝ったが、二人で半日かけても全体の1%も終えられなかった。
家の前の庭
パオラは私よりだいぶ年上で、今年の秋に75歳になるそうだが、とても好奇心が強く、いつも目がキラキラ輝いていて、お料理が上手く、広い庭のあちこちに咲いている花を何気なく家の中に飾る生活の達人。子供がいないせいか、それともキャラクターか、おばさん、お婆さんという雰囲気はなく、可愛い年配の少女という感じのする人だ。
初日のランチはミラノから来た4人で簡単にトマトソースのスパゲッティで済ませたが、ソースに使ったトマトピューレはパオラの手作りだった。
午後にもう二人トリノからの客人が到着。6人で金曜から日曜まで過ごす。
日曜夕方にトリノからの客人二人が帰った後、月曜にミラノからの客人がまた一人。
パオラと小学校2年生からの親友のルチア以外は皆初対面だったが、お料理でも取り合わせの良い食べ物と取り合わせの良い食べ物のコンビネーションは美味しいように、人も感じがいいと思う人の友達というのは皆自然と馴染めるものだ。職種も年齢も生まれ住んでいる所もとても違っても。
初日のランチ4人用の簡単なテーブルセッティング
こんな簡単なランチでもささっとお花を飾る
金曜の午後はウンブリアのイースター・ケーキ、アーティーチョークのイースター・パイを焼く。
2日目の晩は私の担当でカボチャの花の詰め物と豚の角煮を作った。
https://note.com/kajorica/n/n370c0992ae99?magazine_key=mb27aef3638ae
https://note.com/kajorica/n/n1c68c37799a7
その間にパオラは手際良く、ロシア・サラダと呼ばれる、ポテト、グリーンピース、にんじんのサラダを用意し手作りマヨネーズにあえた。カリフラワーは蒸して火を通し、マッテオの持って来た大きな鶏を2時間以上茹で、鶏肉に合わせるサルサ・ヴェルデ(グリーンソースの意・ボッリートと呼ばれる様々な肉を長時間茹でる肉料理に合わせるソース。)イースターのランチの準備をしていた。
パオラのキッチンからダイニングスペースを見る。
広いリビングルームは別にあるのだか、皆ずっとダイニングスペースで過ごした。
パオラのイースター・パイ
パオラ独特のやり方はパイ側をきっちり型の大きさに広げず適当な小さめの大きさに伸ばし、つぎはぎで作る。その方が美観的にも面白く、趣がある様に思うのは私だけだろうか?
2日目土曜のランチはハイキングに出かけた先でピクニック。イースター・パイを4分の1ほど持って行く。
カリフラワーのサラダ
サルサ・ヴェルデ 制作途中
庭の菜園のイタリアンパセリ、ゆで卵の黄身の部分、アンチョビが主材料
ハイキング&ピクニックの帰り道
パオラのケーキの刺繍
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