でも努力も報われる逸品で、実際作ってみて「うーん美味しい」の一言です。
一つのお米料理でこんなに沢山お鍋使ったのも初めてです。
ローストの肉汁を温める鍋を除いても、フライパン3個、鍋3個。
初回作った時は、洗っては使い、洗っては使い、てんてこ舞いという感じで大変でした。
大抵のイタリア料理のプリモピアットは鍋一つ+フライパン一つ、または鍋一つで出来、そこがイタリア料理の良いところなのですが。
とにかく美味しいものが好きで、好奇心と挑戦心のある方、またはイタリア建国とカブール伯爵に歴史的興味のある方「のみ」にお勧めします。
レストランのメニューでは26ユーロ。
つまり4000円超えの「卵ご飯」です。
食材はどんな高級米と高級卵を使っても1ユーロ未満です。
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それまで大小の都市国家に分かれていたイタリア半島が一つの国家として統一されたのは19世紀の半ば、日本では江戸時代が終わって開国した頃。国としてのイタリアは歴史が浅いのです。
イタリア王国建国の主人公の一人でイタリア王国初代首相カブール伯爵が大好きだったと言われるリーゾ・カブールを紹介します。
19世紀カブール伯爵が常連で毎日これを食べていた、と言うレストランのシェフが歴史的資料をもとに再現したものをメジャー新聞のサイトで紹介していたので試作してみました。
美味しくて、その後1週間食べ続けました。。。。
カブール伯爵が常連だった現在のミシュラン1つ星シェフのマッテオ・バロネット氏のレシピのビデオをはこちら。(伊語)
本当に元々こうなのか、ミシュラン星付きシェフが非常に手間のかかる料理にしたのか、プリモピアットのお米料理一皿なのに所要時間は、なんと2時間半とあります。
でも慣れてくれば40-45分くらいで調理可能かも。(ローストの肉汁が既にあれば、ですが。)
カブール伯爵の所有していた領地には有名な重口赤ワイン「バローロ」の葡萄畑があったため、一般的にリゾット・アル・カヴール(カブール風リゾット)というと、香草とバローロで作るリゾットのことを指すのですが、この本物のカブール伯爵好物のリーゾ・カブールはリゾットというよりはチャーハンに近く、リゾット・アル・カヴールとは全く別物です。
飽きない味。カブール伯爵が常連のレストランで毎日同じものを注文していたと言うのも納得出来ます。
このビデオを見た時は、トマトソースというのがピンと来なかったのですが、トマトソースの酸味とポーチドエッグ、バターとオリーブオイルで炒めたライスという素材の取り合わせが絶妙です。
黒米もカブール伯爵の時代にあったのかなぁ、と疑り、省略可としようと思ったのですが、このカリッとした黒米がとても良いアクセントで必須です。
黒米が入手不可能な時は玄米で代用して下さい。
シンプルな食材で極めてソフィスティケートされたお米料理。
でもこの料理の生まれたトリノという町は、フランス国境に近く、フランスの文化的影響も大きい都市なので理解も可能です。
カブール伯爵の人物と功績や彼の領地のブドウ、つまりワインの種類などの詳細は、以前私のアンティーククリスタルのブログ「ガレリア・カジョリカ」の方に書いたのでそちらをご覧下さい。
https://galleria-kajorica.blogspot.com/2017/07/baccarat-cavour.html
決め手のローストの肉汁は先週残ったスティンコの煮汁を使いました。
その他お肉の焼き汁などでも代用OK.
<材料> 一人分
・リゾット用お米 70g
・黒米 15g
*入手が難しい場合は玄米で代用
・卵 1個
・トマトピューレ
*今回は味の濃いダテリーノというプチトマトのピューレを使いました。
*シェフはトマトのコンフィから作っています。
・ローストの肉汁 大さじ2、3
*お肉の焼き汁などでも代用OK
・玉ねぎ 小1個
・クローブ 4個
・オリーブオイル 少々
・バター 少々
・ピーナッツオイル 少々
*または沸点の高いオイル
<作り方>
工程は食材別に書きます。
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1-1・黒米は茹でます。
*今家にある黒米は芯がなくなるのに30分以上かかるので、調理開始30分前に熱湯とスープジャーに入れました。
*時間は使うお米のタイプにより調整します。
1-2・黒米は芯がなくなったら水を切り、キッチンペーパーの上に広げしっかり水分を取ります。
*この後の作業はいただく直前にする方がベターなので1-2の状態で取り置きます。
1-3・4のチャーハンを炒めるのと同時くらいのタイミングで、フライパンにピーナッツオイルを熱しカリカリに仕上げます。
*シェフの説明では「油であげる」とありますが、少量のオイルでもカリカリに仕上げられればOKと思います。
*オリーブオイルだと重めに仕上がるため、カリカリに仕上げるためにピーナッツオイルまたは他の沸点が180ー190度くらいのオイルを使います。
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2ではトマトソースの用意を書きますが、手順としてはトマトソースに着手する前に4-1と4-2のお米を茹で始めます。
2-1・小さめのフライパンにオリーブオイルを熱し、潰した、または斜めに切ったニンニクを入れて香りを付けます。
2-2・トマトソースを加え味を馴染ませ5、6分程度弱火で煮ます。
2-3・火を止めたらニンニクを取り出します。
*トマトの酸味が少し残る方が卵とお米との取り合わせが良いので長く煮ません。
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3-1・卵はポーチドエッグを作ります。15cmくらいの鍋に湯を沸かし、塩と酢を加えます。
3-2・沸騰したらヘラなどで鍋の淵に沿って一方向にまわし、鍋の中に渦巻きを作り、渦巻きの真ん中に予め割って容器に入れた卵を落とし入れます。
3-4・中火で卵の白身がほぼ固まるまで4、5分茹でて、穴あきお玉で、壊さないようにそっと取り出します。
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3-5・2-3と3-4は深皿の底に配します。
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4-1・熱した鍋で半分に切った玉ねぎを焦がします。
4-2・4-1の鍋に水を入れリゾット用白米とクローブを投入し、アルデンテに茹だったら玉ねぎを取り除き、水を切ります。
4-3・フライパンか中華鍋にバターとオリーブオイルを半々熱し、4-2を投入し炒めます。
4-3・炒めながらクローブを取り除きます。
4-4・チャーハンくらいに炒めたら、3-5の深皿に、卵とトマトソースを覆い隠すよう盛り付けます。
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5-1・4ー4に温めた肉の煮汁を大さじ3程度加えます。
5-2・5-1の上に1-3を散らします。
大変でしたね。お疲れ様でした。これで出来上がりです。
6・頂く時に深皿の底のトマトソースとポーチドエッグを全体に混ぜて頂きます。
*この、ダル・カンビオというレストランで本当にカブール伯爵に出されていた時はポーチドエッグはチャーハンの上に置かれていたそうですが、下に隠れていてかき混ぜるというのは、ちょっと宝探しっぽくて楽しいので、シェフのやり方に一票。
テレビの歴史番組イタリア建国編で上記のレストランのカブール風ライスが紹介されていました。
レストランの様子もご覧いただけます。(37分目から)
この画像で見える香草は何なのか冒頭のリンクには説明はありませんでした。
(Una giornata particolare 2024.04.07)
レストランのサイトはこちら
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