グルメ友マウロが時々作ってくれる。
インターネットでテスタサルを検索するとヒットしてくるのはテスタサルを使ったリゾットで、調理方法は一般的なリゾットのバリエーションだが、マウロのテスタサルは調理方法も出来上がりも全く違い、一般的なリゾットのの様にバターもコンソメも使いません。
日本のチャーハンのような出来上がりになるので、日本人の口にはとても良く合います。
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まずテスタサルとは何か。
ヴェローナ県ではペースト・ディ・サラミ「サラミ・ペースト」とも呼ばれ、サラミを長期熟成させるように塩胡椒などを加えて仕込んだ粗挽きの豚肉。
日本で入手が難しいどころかミラノでも難しい。
ですので、作りたい方は粗びき豚挽肉に塩胡椒を加えて丸1日置いたものを使用してなんとなく感じを味わって下さい。
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ヴェローナの南約30キロにあるポンテポッセロ出身のマウロのこの調理法はテスタサルを使った「料理」というより、「長期熟成するために仕込んだサラミ用の肉の塩加減が適切であるか味見するための方法」との事で、似たような調理法は現実でもネット上でも見た事がない。
マウロの田舎ポンテポッセロと夏の終わりのパーティーの写真はレシピの後に。
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<材料> 一人分
・リゾット用米 80g
・テスタサル (ペースト・ディ・サラミ) 80g
・赤玉ねぎ 半分ー1/4 なければ白玉ねぎ 写真は撮ろペアの赤玉ねぎ
*私はタマネギ大好きなので普段は1個丸々入れます。
・ローズマリー 一枝 (省略可)
<トッピング>
・パルメザンチーズ(粉状)適量
・シナモン(粉状) 適量
<作り方>
0・粗挽きの豚ひき肉によく塩胡椒をし1日以上冷蔵庫で馴染ませます。
1・小鍋にリゾット用米を洗わずに入れ、ボリュームで倍の量の水を入れ沸騰させます。
沸騰後は蓋をして弱火にして炊きます。途中リゾットのように混ぜたりせずに時々蓋を取って必要なら水を加え、リゾット程度にアルデンテになったら火を止めます。
2・お米を炊いている間にフライパンをよく熱しテスタサルを入れほぐします。油分はテスタサルから脂分が出るので不要です。できるだけ食材だけの味で調理します。
3・フライパン全体にテスタサルの脂分が馴染んだら、玉ねぎをざっくり縦に切り、(長すぎたオリジナルのマウロの調理方法だと半分に切っただけの玉ねぎを入れている。玉ねぎをざっくり刻んて他kぅさん入れるのは我流アレンジ)ローズマリーと共に2に加えます。
4・その間にパルメザンチーズ(が塊なら)を削り、粉末シナモンと混ぜておきます。
5・テスタサルに火が通り一部カリッとし、玉ねぎがしんなりしてきたら、ローズマリーを取り出し1のお米を加えて混ぜて出来上がり。
*先にも書いたようにこのレシピの起源は「「長期熟成するために仕込んだサラミ用の肉の塩加減が適切であるか味見するため」のものなので、通常塩胡椒は加えませんが、挽肉から自分で作ったテスタサルを使う場合はここで塩胡椒を加減してもOK.
6・頂く直前に粉状のパルメザンチーズと粉状のシナモンを混ぜた物をふりかけていただきます。
*チーズが苦手な人はこれは抜かしてもOKです。
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マウロの田舎ポンテポッセロ
数年前の夏休みマウロの田舎のポンテポッセロの家に招待してもらったことがある。
両親が住んでいた彼が育った家。
ポンテポッセロという小さな町で用水路と茂る緑に、昔見た母の田舎の信州のようで初めて見るのに懐かしく、思わず撮ってSNSに載せた写真は特になんということの無い被写体なのに、その夏の写真の中で一番評判が良かった。
「エルマンノ・オルミ監督の映画みたいだ。」という人も何人かいた。
何泊かしたが、当時大学生でヴェニスの大学に通っていた娘のノアが毎晩就寝前に食卓を翌朝の朝食用にセッティングして、朝起きるとコーヒーを入れるだけで朝食の支度が整っていた。
素敵な習慣だな、と感心した。
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マウロの「夏の終わりのパーティー」
昨年9月中旬「夏の終わりのパーティー」というグループチャットの招待が来きた。
日本だと立秋は8月上旬だか、イタリアでは夏が終わるのは秋分の日と言われている。
一見季節のお誘いだがマウロ誕生日は9月末なのでお誕生パーティーとわかる。
招待者は40人を超えていて、彼らの家の近くの屋外のイヴェントスペースを借りてランチという企画。
もちろんメインはマウロ名物リーゾ・アル・テスタサル
この日は特別にその上にスペアリブが乗っていた。
その時の写真をいくつか。
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