2024年3月8日金曜日

キアラのためのハムと人参の前菜ゼリーと国と人について

先週の夕食会の主賓はキアラ。一緒にグルメ友タマルとマウロも招待した。
元々キアラは彼らのママ友だった。

キアラは現在抗がん剤投与中で免疫力が落ちているため、あまり大勢の食事には呼べない。

だから今回はこじんまりと少人数で。

それもまた色々じっくり話ができて良いものです。


このレシピは実は前に「肉料理」として投稿したチキンゼリーと基本同じなのですが、先々週の「フェルニ」と同様すみれの花と、出て来たばかりの柔らかいイタリアアンパセリの葉先を飾ったら可愛らしく出来て、きれいな写真も撮れたのでまた投稿してしまいます。


チキンゼリー

https://note.com/kajorica/n/n674c5c10ddda

https://cucina-kajorica.blogspot.com/2023/11/blog-post.html


今回は少人数分の前菜でお肉の量も少なくていいので、チキンハムを使いました。


普通のプロセスハムでもそれなりに美味しくできると思います。


「国と人について」はレシピの後に書きます。



<ハムと人参の前菜ゼリー 材料4人分>


・チキンハム 150g(牛タンハムがあったらベター、プロセスハムでもOKだと思います。)


・人参 中1本


・レモン汁 1個分


・ブイヨン入りゼラチン0.5 lt分 

*ない場合はブイヨンとゼラチンを一緒にします。


・飾り  *なくてもOK。

*今回は野生のスミレとイタリアンパセリの葉先を使いました。




<ハムと人参の前菜ゼリー  作り方>



1・鍋に0.5 ltの水とブイヨン入りゼラチンを入れ、ゼラチンを溶かします。


2・人参を小さめのみじん切りにして1に入れ少し煮て、ゼラチンがよく溶けたら火を止め冷まします。

*本格的な調理人さん達は人参は別に茹でるのだと想像しますが、私の料理は「最小の努力で最大の効果」が基本なので一緒に茹でてしまいます。




3・その間にハムを小さく切ります。

小さなスプーンで食べるので、スプーンにハムの切ったものが数個がゼリーと一緒に乗るようイメージして切ります。

*今回ハムの厚みはいつもよりも厚めにスライスしてもらいました。


4・銘々の器に(今回はシャンパン用のクープグラスを使用)3を盛ります。




5・2がだいぶ冷めてきたらレモン一個を絞り2に加え混ぜます。


6・5のニンジンの量が均一になるよう気をつけながら4に注ぎます。


7・6を冷蔵庫で冷やし固めます。



8・固まったら飾りつけます。(飾らなくてもOK)

*今回はイタリアンパセリの葉先と野生のスミレで飾りました。




完成写真


*****


国と人について


今日は少しシリアスなお話です。

最初はこのタイトル「イスラエルとパレスチナについて」にしようかと思いました。

そう、今戦争が続いている真っ最中の。ただそういうタイトルにしてしまうと政治とか地政学の話と誤解され拒否反応を持つ人も多いのではないかと「国と人について」に変えました。

私が書きたいのは常に「人」の事。政治や地政学の話をしたいのではありません。


その日招待したタマルはイタリア国籍も持つイスラエル生まれのユダヤ人。

彼女は、「他人の困難を察する並外れた能力を持っている」とでも表現したらいいのか、他人が困っているのでは無いかと察知すると手伝いを申し出てくれたり、助け舟を出してくれたりと、いつもとても優しい。

親しい友人にでも頼み事をするのが苦手な私は、本当に困っていた時に、頼んでいないのに助けを申し出てくれて、彼女の心使いに深く感謝したことが何度もある。


私はその会食の10日前にある友人に愛想を尽かした。友人の友人で何度か会ったことがある程度だったけれどSNS上でオピニオンを交換することは多く、彼の友達と一緒に出かけないかと何度も誘われていたのを、口実をみつけてできるだけ会うのは避けていた程度の知り合いだ。

彼はエリート銀行員で最近まで大手銀行で投資リスクの分析の仕事をしていた。職業柄データを集めるのは得意だが、解析に人間的な見方が欠落していた。

イランに行ったと話した時も、イランは公開死刑をする国だ、とまるで国も国民も悪の権化という様な批判的な言い方をした。私だって死刑は反対だ。公開死刑などとんでも無いと思う。だからと言ってそれだけでイラン人を否定するのは間違っている。


私は個人でできるだけ地元の人と接触のあるように旅行するのが好きなので「国の方針」とその国民一人一人は必ずしも一致していない、と常に思う。


彼に呆れたのはFacebookで「反イスラエル人&ユダヤ人」というグループの管理人になってメンバーに招待してきたからだ。1回目の招待を却下したら、2度目の招待を送ってきて、自慢げにそのグループの管理人なので招待したと電話までかけてきた。私は当然断り、暫く不愉快な思いで悶々とした後、Facebookの友達から彼を削除し、チャットはアーカイブし消音設定にすることにした。

彼とは議論しても無駄だと思ったから。議論というのは理解し合える可能性のある時にするものだ。


日本ではあまり大きく扱われていないようだが、昨年10月7日のハマスの対イスラエルのテロで約1200人が殺害され数百人が人質として誘拐された。その報復としてハマスの本拠地のあるパレスチナ、ガザ地区にイスラエルが仕掛けた軍事攻撃が西欧ではほぼ毎日のようにトップニュースとして報じている。


戦争の報道はどんな戦争でも痛々しいが、このイスラエルの軍事攻撃は尋常で無い悲惨さがあり、ニュースで流される短いビデオも見るに堪えないほどだ。被害者も一般市民の死者はイスラエルの反撃開始4ヶ月半だけで約3万人に上っている。逃げ場もなく、負傷者手足の切断のための麻酔もなく、今ガザ地区に残っている人々は食べ物も飲料水も十分になく子供が餓死し始めていて、このまま停戦がなければ一般市民は餓死と疫病の蔓延などで絶望的な状況になることが予想されている。


たとえ10月7日のテロがイスラエルという国の存在自体を揺るがすものであったとはいえ、過剰な反撃であることは誰の目にも明らかで、政治的にはアメリカ寄り、ひいてはイスラエル寄りの西欧各国でもパレスチナ保護を訴える大規模なデモンストレーションが各地で多発していて、反ユダヤ意識も膨らんで来ていることも否めない。

イタリアのマスコミでは現在のネタニヤフ政権のイスラエル国内の支持率は15%と極端に低い事を伝えつつも、過度の反撃を過半数の国民が支持している事を報道しているが、イスラエル国内は右翼極保守派のオーソドックスユダヤ教徒の家庭は子沢山で十人という家庭も多い一方、特に宗教的に熱心でない家庭の子供の数は一人か二人。建国以来三代目四代目の世代に入り、民主的な選挙にも反映されるという特別な国内事情もある。


彼が管理しているFacebookのグループが「反イスラエル人&ユダヤ人」ではなくもし「反ネタニヤフ政権」というのだったら理解、共感できる。イスラエル建国以来最も極右寄りの一政権のすることへの反感を全国民と世界中に散財する一人種に標的向をき変えるのは断じて間違っているし愚かだとさえ思う。


イタリアはキリスト教徒が古代ローマに到達する前からユダヤ人はいたというお国柄なので、ユダヤ人は多い。本人に言われなければそうとわからないくらいイタリア社会の一部となっている。私個人が知り合った範囲のユダヤ人は、自分に甘えがなく理性的でかつ人間的に温かいというのが共通する印象だ。

シェイクスピアの「ベニスの商人」に登場するユダヤ人などとは全く異なる。


イスラエルの軍事攻撃開始以降タマルがどんなにパレスチナの被害に心痛しているか想像できたが、簡単に電話やメッセージで話せる類の内容では無いデリケートな話題だったのでこの会食でゆっくり話せて良かった。


想像していたようにタマルは現在のガザ地区の人々の状況に心を痛め、イスラエル国籍を放棄しようかとまで悩んでいて、自分で何かできることはないかと模索している。


イスラエル、パレスチナ問題は世界中の戦争の中でも最も平和的解決の見えにくい戦争。

私が彼女の立場だったらと想像すると胸が詰まる思いだ。


1日も早い終戦を願ってやまない。


2024年3月1日金曜日

リキュール インデックス・LIQUORE INDEX

 


おすすめ度: ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️ 5/5

 季節:    春・夏・秋・冬(乾燥ジェネピーの場合)

 季節:    夏(生のジェネピーの場合)

サイクリングで見つけたジェネピー・ビアンコと

パオラの伝統的ジェネピー・リキュール


サイクリングで見つけたジェネピー・ビアンコとパオラの伝統的ジェネピー・リキュール

更新2024年4月6日
数人に味見してもらったところ、アルコールがキツイという意見が多かったので、調整し分量を変えたものを更新します。

昨年の秋カルロスとミラノ郊外に自転車で遠出した時、ヴァレード近くにお祭りのように色々屋台の出ている小さな町があった。一体何のお祭りかはわからなかったがその屋台の中に遥々ヴァッレ・ダオスタからジェネピーを出店している女性がいた。


ジェネピーは、 アルプスの標高1800~3500メートルの高山地帯に自生する小さな芳香植物でヴァッレ・ダオスタの代表的な同名のリキュールの製造に使用されている。


その女性は2002年から標高1400メートルの畑でジェネピーを「飼いならす」ことを試みているという。そしてリキュール作り用やハーブティー用の乾燥ジェネピーとジェネピーのリキュールを製造しているので、時々プロモーションのためこういう屋台をイタリア各地に出しているのだという。




ミラノ郊外の小さな町で見つけたジェネピーの屋台

乾燥ジェネピーとリキュールのジェネピー各種とその他色々が並ぶ



ヴァッレ・ダオスタの山によく行く私にはお馴染みの植物とリキュールだけれど、ミラノ近郊の小さな町でこんなニッチなものを目にするのはかなり意外だった。


カルロスは最近膝を壊し登山はドクターストップがかかっていて(だからその日曜は自転車で出かけたのだが)元は健脚の山好き。だけど、山の家をヴァッレ・ダオスタとは反対方面に持っているためかジェネピーのことは全く知らなかった。


ジェネピーは地味な色で目立たない小さな草だが、リキュールにすると独特の風味が良いためクネアツ付近ではトレッキングがてら取りに行く人が多く、、というか血眼になって探す人が多く、、、年々減少。天然のものはそのうち絶滅してしまうのではないかと心配するほど希少な高山植物。



通常自生のジェネピーは高さ5、6センチと小さいが、その栽培されたジェネピーは2、3倍の長さ。


「え?ジェネピーなのにこんなに長いの?」と思わず質問。


「栽培したものだから」と彼女。


特に展示品の中のジェネピー・ビアンコ(白いジェネピーの意)というのに目を引かれた。無色透明のジェネピー・リキュールだ。そんなものが存在する事すら知らなかった。

興味津々で彼女の販売しているジェネピー・ビアンコを試飲させてもらい、作り方も説明してもらった。


伝統的なジェネピーはアルコールに40日間漬け、そのあと水と砂糖を沸騰させたものを加え10日間味を馴染ませ完成となる。レモンの皮で作る南イタリアの有名なリキュール、リモンチェッロなどもほぼ同じ作り方をする。


一方ジェネピー・ビアンコはガーゼで包んだジェネピーをアルコールを入れた容器の中で密閉し、ジェネピーとアルコールに直接コンタクトを持たせないまま、容器の中で回る空気を通して(?)または蒸発してまた液体に戻るアルコールで(?)ジェネピーの風味を与えるのだという。


ちょっと魔法みたいだ。


そのためアルコールに直接漬け込むより長く、倍以上の90日がかかる。


私はパオラのつくる美味しい伝統的なジェネピーに慣れていたがそこで味見させてもらった白いジェネピーもとてもデリケートで気に入り、カルロスは白いジェネピー・リキュールのボトルを1本、私は自分で作るべく乾燥ジェネピー一袋(約7g)を購入してミラノに戻った。


ジェネピーとアルコールを容器の中で密閉し90日間待つ間、色々な人に「今ジェネピー・ビアンコを作っているの。こうやって作るの。知ってた?。」と話すと、この不思議な作り方に皆関心を持つ。

化学を専門にしているダニエレなどはキラリと目を光らせていた。


*****


ここではジェネピー・ビアンコと伝統的ジェネピーのパオラのレシピの両方を記載します。


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材料写真



ジェネピー・ビアンコ(白いジェネピー)


<白いジェネピー 材料 アルコール 0.75 リットル分>


・天然ジェネピー 53本 または乾燥ジェネピー 一袋=約7g


・リキュール用アルコール 0.75 リットル


・山の水  0.95 リットル   *なければ町の水でもOK


・砂糖 150g  




<作り方>





1・ジェネピーをガーゼなど通気性の高い布で包み、リキュール用アルコールを入れた密閉容器に、アルコールに触れないように設置する。


2・1を冷暗所に90日間放置する。







3・90日目に分量の水と砂糖を煮立てる。


4・3が冷めたら2に流し込む。


5・そのまま10日間なじませ出来上がり。




完成写真

グラスとボトルはアンティークバカラのシャトーブリアンとローハンを使用しています。

http://galleria-kajorica.blogspot.com/2015/09/baccarat-chateaubriant.html



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パオラの伝統的ジェネピー


<パオラの伝統的ジェネピー 材料 アルコール1リットル分>


・生の天然ジェネピー 70本 (天然ジェネピーは高さ6-7cm)

*ネットで検索したら一般的なジェネピーに入れる砂糖の量はアルコール1ltにつきジェネピー20本。パオラのジェネピーが美味しいのはこのゴージャスなジェネピーの量も大きいのだろう。


・リキュール用アルコール 1 リットル


・山の水  1 リットル    *なければ町の水でもOK


・砂糖 120g

*一般にネットで出回っているレシピだとこのアルコールと水の量で砂糖400g前後であることが多いが、お砂糖の量は800gから100gまで人によって様々。

出来上がりから評価して、パオラの作るジェネピーは良い分量だと思います。

市販のジェネピーのリキュールは甘過ぎ。


<作り方>


1・ジェネピーをリキュール用アルコールを入れた密閉容器に投入する。


2・このまま冷暗所に40日間放置する


3・40日目に、分量の水と砂糖を煮立てる。


4・3が冷めたら2に流し込む。


5・そのまま10日間なじませ出来上がり。




*****







この伝統的なジェネピーをアルコールに浸す方法だと2日目3日目に

アルコールがこんな蛍光色の黄緑になります。

そして徐々に落ち着いた色に変わっていきます。







標高2771mのペリン湖。

最近ではここまで登っても野生のジェネピーは見つからない事が多い。(涙)







白いジェネピー・リキュールを見つけた日のサイクリングで行った

ヴァレード(Varedo)の巨大なバガッティ・ヴァルセッキ邸(Villa Bagatti Valsecchi)

の長い長いアプローチ

ミラノ市中心部には同族の美術館もあり有名です。

https://museobagattivalsecchi.org/en/visit





私がここで利用した乾燥ジェネピーと同じものがネット購入も可能なようです。

に興味のある方、サイトはこちらです。この一袋を使用しました:

https://www.tascapan.com/prodotto/piantine-di-genepy-valle-daosta-da-emy/





カルロスとは昔頻繁に会っていた時期があったけれど、今ではたま~に忘れた頃に連絡がある程度の友達。

お父さんはミラネーゼ、お母さんはマドリッド出身のハーフなので、以前日本料理&スペイン料理のランチを二人で企画した時に本場スペインのサングリアのレシピももらっているので、そのうち投稿しますね。