2026年4月18日土曜日

「タコとじゃがいものサラダ」とタコを柔らかく茹でる方法 日本流とイタリア流比較


茹でたタコとじゃがいもを一口大に切ってイタリアンパセリの微塵切りを散らし、塩とオリーブオイルとレモンを振りかけて食べる。

もうこれでレシピの記述は十分という簡単な料理で、イタリアのシーフード前菜を代表する一品で、多めに作ればメインディッシュとしも彩が良く映えます。



一般的には「タコとじゃがいものサラダ」と呼ばれ、レストランの前菜カウンターや惣菜屋などにも必ずと言っていいほど並んでいて、飽きのこない爽やかな前菜です。


スーパーの惣菜売り場の「タコとじゃがいものサラダ」


このシーフード定番前菜は以前フェデリカがインスタグラムにに載せていて、彼女のことを書く時にレシピも投稿しようと思っていたのですが、彼女との複雑な関係を言葉にすることは簡単ではないので、今回は人に関するエピソードは省略して、タコを柔らかく茹でる方法の日本流とイタリア流比較と、にフォーカスを当てた投稿にします。


タコをあまり食べなくなったのは、値段の上昇もあるけれど、非常に頭のいい動物だと知ってから。

15年くらい前の新聞記事によるとタコは頭のいい動物トップ10に入っていた。

頭の良い動物ランキングは1位猿、2位イルカは安定して1位と2位を占めその後は犬、猫、馬、豚などが発表元により多少前後するが、その時見た記事ではなんとタコが10位にエントリーしていた。

その後それを裏付けるようにイタリア語のタイトルで「海の底の僕の友達」(原題My Octopus Teacher 邦題オクトパスの神秘: 海の賢者は語る)という人間とタコの信頼関係の映画なども発表されなんとなく食べにくくなっていた。


価格的には、大きいタコは普通1kg30ユーロはする。まあ日本でも5-6千円するようなのでミラノだから特に高いというわけではないようだがやはり足踏みする値段だ。ところが以前に紹介した冷凍食品スーパーでいつもの鱈が見つからず他を物色していたら、仔ダコ500g5ユーロというのを見つけ、動物愛護の感傷が揺らぐ自分に恥じながらも購入。食べてみると美味しい。若干罪悪感も避けられない。


仔ダコ500g5ユーロの袋には直径9センチくらいの仔蛸が5つ入っていた。

1食1個として1食1ユーロ。シーフードとしてはかなり安い。


冒頭に書いたように極めて簡単な調理で唯一ネックになるのはいかにタコを柔らかく茹でるか、という点。


調べると日本流とイタリア流ではかなり違い面白いので記述することにします。



下処理1

「タコを地面に打ち付ける」南イタリアやギリシャなどでタコの筋肉をほぐすために生きているタコを岩や地面に打ち付けると柔らかくなるというもの。日本でも漁師町では行う所もあるらしい。

個人的にはこれは可哀想すぎるのでしたくないし、生きているタコを捌く機会も無いので忘れます。


下処理2

冷凍させる。

冷凍させると柔らかくなり旨みも増すとか。これもイタリアでも日本でもよく行われます。



下処理3

塩でもむ

これは日本で行われるようですがイタリアではしません。どちらが正しいのかは不明ですが塩を使うと一般的にタコが固くなると言われています。


加熱方法1

頭を持って熱湯に脚をひたし綺麗に丸まるようにするするのは東西共通。


加熱方法2

日本ではその後その熱湯で15分から20分茹でるとういうのが一番多いようです。

イタリアではみずから火にかけ沸騰したら獄弱火にして、1kg程度のタコで、人により20分から50分にます。


加熱方法3

日本では茹でる熱湯に塩を入れるのが多数派。

イタリアでは塩を入れると固くなると信じられていて白ワインやローリエなどで茹でます。


加熱方法4

日本ではたっぷりのお湯で茹でる。

イタリアでは少量のお湯で茹でる。



加熱後

日本では茹で上がったらすぐに氷水に入れて締める、または常温で自然に冷まします。

イタリアでは茹でた水の中で自然に冷ますというのが柔らかさをキープする秘訣と言われています。



科学的な根拠など全くないのですが、色々試した結果、イタリア流に塩を入れずに水ら茹でて、日本流に短時間(仔蛸なので10分程度)、イタリア流に茹でた水の中で自然に冷ますというのが一番柔らかく仕上がるように思えます。

水から茹でて冷めるまで水の中に放置すると旨みや栄養が逃げてしまいそうな気もしますが。。。

異議、抗議、サジェッション受け付けます。


ついでに

じゃがいもをレンチンする場合の最良な方法

茹でジャガイモやじゃがいものピューレを大人数分つくる時は皮ごと茹でますが、少し必要な時でも30分近くかかり、電子レンジを使うのが圧倒的な時短になります。


イタリアより圧倒的に電子レンジが普及している日本のじゃがいもをレンチンを見ると、丸ごとか、切ってからか、という選択のようですが、最も効率良くおいしく短時間に出来るのは、ジャガイモを洗い薄い方の中央を半分に切り、切り口を下向けにして皿に重ならないように並べ、ラップなどで覆い、電子レンジで5分間600W。

半分にしてあるので冷めたら、ギュッとつねる様に掴むと皮が簡単に剥がれます。




< 材料> 2人分


じゃがいも 中2個

仔蛸 2匹(約200g)

イタリアンパセリ 少々

オリーブオイル 適量

レモン 半個



<作り方>


1・仔ダコは水から火にかけて、沸騰したら弱火にして10分程度茹でそのまま冷めるまで鍋にほうちします。

・茹で水に白ワインとローリエを加えても良し。塩は入れません。




2・茹でタコが室温程度に冷めたら、ジャガイモを皮ごと洗い薄い方を半分に切り、切った麺を下にして重ならない様にさらに並べ、ラップなどで覆って、電子レンジで5分間600W。




3・1と2が冷めたら一口に切り、微塵切りにしたイタリアンパセリを振り、オリーブオイルとレモン汁で調味して食卓に運びます。


ジャガイモから生まれたタコの助をイメージして盛り付け



仔ダコで作るとじゃがいもとの大きさのバランスが悪いので、意図的にタコを切らずに盛り付けても新鮮な見た目になります。



もちろん食べる時にはこのように切る。




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2026年4月11日土曜日

ラケーレのための (?) 美味しいビーガン・ミートソースのパスタを試作してみる




 ビーガン・ミートソースという呼び方は矛盾がありますが、所謂日本でミートソースと呼ばれるパスタソースはイタリアでは「ラグー」と呼ばれ、ここでは「ビーガン・ラグー」と言いたいのです。


ビーガン向けだから勿論ミートは使わず、お豆腐で代用したレシピですが試作してみて、ビーガンでない私が食べてもなかなか美味しく満足感がある上、食後胃袋にかかる荷重が小さく健康にも良い感じ、伝統的な挽肉使用のラグーは2時間以上煮込むのに対し、お豆腐使用は煮込み時間20分で時短+省エネにもなり嬉しい。


元のレシピは Il Cucchiaio d’Argento (イル・クッキャイオ・ディ・アルジェント))のサイトに掲載されていました。

イル・クッキャイオ・ディ・アルジェントは「銀のスプーン」という意味のイタリア料理のバイブル的な料理本の一つです。レシピはウェブサイトで見つけたもので、イタリア伝統レシピが大半の紙媒体の「銀のスプーン」には掲載されていません。


以下の量は適当に我流にアレンジしています。

変更内容は主にソースの量で、パスタの量に対し多めにしています。


簡単に普通の乾燥パスタで和えていますが、もちろんラザーニア、カネロニなどにも良さそう。


https://www.cucchiaio.it/ricetta/ragu-di-tofu/



ビーガンでない私がいきなり ビーガン料理を始めた経緯はレシピの後に。






<ビーガン・ラグー材料> 2人分



・人参 8 cm程度


・セロリ 8 cm程度


・玉ねぎ 半分 (微塵切りにして、人参セロリとほぼ同量になるように)


・濃縮トマトソース 小さじ1


・トマトピューレ 200g


・木綿ごし豆腐 日本とサイズが違うので 重さで 約250g


・野菜のブイヨン  少々  <これはオリジナルレシピに私が加えました。


・赤ワイン  80ml

*白ワインで代用可。赤ワインの方がコクがあってベター。


・オリーブオイル 適量

・塩

・胡椒

・2人用のパスタ 160g


自家製野菜のブイヨンのレシピはこちら

https://note.com/kajorica/n/n9b026f6654e6




<作り方>


1・玉ねぎ、にんじん、セロリは微塵切りにして、オリーブオイルを熱したフライパンで中火で炒め、濃縮トマトソースも加えます。




2・1の作業の間に豆腐が挽き肉くらい荒さになるようにフォークで潰し、1に加えます。




3・2を3、4分炒めたら赤ワインをふりかけ、ワインのアルコール分が飛んだらトマトピューレを加え煮込みます。水分を飛ばしながら、かつ焦げないように時々掻き回します。




4・トマトピューレを加えたタイミングで、パスタを茹でる水を火にかけ、沸騰したら粗塩を加え茹で上げます。つまりソースはパスタを茹でる水が沸騰する時間 + パスタを茹でる時間=20分くらい煮込みます。




5・パスタが茹で上がったらソースと混ぜ、ビーガンでない人はパルメザンチーズを振りかけて頂きます。


・ソースはパスタに和える他にラザーニアやカネロニなどにも使えます。





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何故ビーガンでない私がいきなり ビーガン料理のリサーチを始めたかについて


年齢のせいもあり肉料理は近年かなり減った。さらに自分の健康、地球環境、動物愛護などを考えるとベジタリアンにはなった方が良いのでは、と時々考えるけれど、完全な転向はできていない。そんな私が何故ビーガン料理の勉強を始めたかについて書きましょう。


・・・・・


去年亡くなった友人のキアラには娘と息子がいて、なんとなく、どうしているか気に掛かっていたので、クリスマスに娘のラケーレにメッセージを送った。


キアラのことはこちらに

https://note.com/kajorica/n/n7dd3c0167504



私自身、父を21の時に亡くした。長く病んでいたのならそれなり心の準備もできたと思うが、不調を訴え始め1年以上医者に行かなかったので、診察を受けた時には手遅れで入院後一月半で呆気なく逝ってしまった。

それまで何の問題もなく、物事は全て自分の都合のいいように転ぶような人生を歩んでいた私には、それは空が剥がれ落ちてくるような大事件だった。

当時父は現役だったので一家は皆に愛されていた家長を亡くしただけでなく、経済的な軸も失い、母は父の急な死に大混乱していて以前のしっかりした母ではなく、一年間くらいは両親を一度に失ったかのようで、その後二、三年は精神分析の本を読んで過ごした。


キアラの娘と息子はどちらも20代後半なのでもう立派な大人かも知れない、でも親の死には4050代でも長く苦しむ人も多い。だからラケーレとエットレのことが気になっていた。


クリスマスのラケーレの返事は、「この間タマルと話して今度みんなでピザでも食べに行こうということになった。その時に来てくれたら嬉しい」という内容だった。


ラケーレと特に親しく話し込んだことはないが、キアラが私の事をよく話し私に興味を持ち検索していたのか、以前彼女の連絡先を知らなかった頃から時々フェースブックの「知り合いかも」にが表示されることが多かった時期があり、単に友人の娘という以上に近しく感じる存在だった。


ピザ屋行きの企画はもちろん快諾した。楽しそうだし、あまり改まらず気軽に様子が見れそうだし。


年明けにタマルとその件に関して話したが、「ラケーレは中学時代親友だった(タマルの)娘のノアと弟のマティアもいる時がいいと言っているの。ヴェネツィアの大学に通っているマティアもいる時となると気長にチャンスを持つことになるかも」と言う。


そして気長に待ったピザ屋行きは3月末、憲法改正案の是非を巡る国民投票があった際に投票のためマティアがミラノに帰省した際に実現した。


同席したのはマウロ、タマルと彼らの子供ノアとマティア、ラケーレとエットレと父親であるキアラの元夫マヌスと私という二つの4人家族のキアラが空けた席に私が座ったような感じになった。


生憎一番先に着いた私とラケーレは長いテーブルの反対側に座りあまり話せなかったが、特に落ち込んでいる様子もなくノアと楽しそうに談笑していた。キアラが別居後子供達に自分のイメージを悪く植え付けていると抗議していたマヌスは息子のエットレと同じボートクラブに通い始めたという。母親がいなくなったといえマヌスはちゃんと父親として子供たちの柱になっているように見受けられ、少し安心できた。


別れ際に、ラケーレから形見分けとキアラのネックレスをひとつ貰った。包まれていたので家に帰って開けたが、翡翠に似た緑色の石のネックレスで、控えめでディテールの繊細なキアラらしいものだった。


翌日形見分けのお礼と、落ち込んでいなくて安心した、とメッセージを送ると、「またみんなで出かけたい!」という返事だった。嬉しかった。


そしていつもの私の癖がムクムクと育つ。まあもう一回くらいはピザ屋に行くのも良いが、その後ウチの食事に皆を招待するとか?などと考えてしまう。そしたら何つくる?と。


ただ、ラケーレはビーガンなのだ。ベジタリアンではなくビーガン。ベジタリアンなら色々おもてなし料理アイデアはあるが卵もチーズもダメなビーガンとなると私のレパートリーは狭過ぎる。精進料理という手もあるがいきなり和食もどんなものだろう、という経緯でビーガン料理スタディの最初のレシピです。



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