2024年10月11日金曜日

詩人オレッタの簡単鱈のソテーと家庭内平和と世界平和


今年の秋はなぜが食欲が少なく、ゆるーい投稿が続いていますが、今回も例に漏れない簡単料理です。


オレッタも、主に90年代に付き合った人。

カルボナーラのレシピの時に書いたソフィーのように、お互いよく理解していたら初めから付き合っていなかったかもしれない人と思う。

イタリアに来て10年くらいはそういう人と付き合う機会が何度もあった。


ソフィーの話とカルボナーラのレシピはこちら。


オレッタの肩書は詩人。

ミラノの高級ファッションブティック街で有名な通りの建物の最上階のとても明るい気持ちの良い広いアパートに一人で住んでいたが、メガホンで自作の詩を朗読したりもしていた。


元々裕福でミラノ市内でも屈指のお屋敷街に住んでいた両親が宝くじに当たって、その高級ファッションブティック街の1番地の建物を丸々購入したという嘘の様に幸運な話。建物全体を彼女が相続したのか、通りに面したユニットはプラダなどの著名ファッションブランドのテナントが入っていたから、家賃収入でお金持ちになったのだと言う。


「家庭内の平和は世界平和より難しいの。」といつも言っていた。その頃は私の母はまだ健在だったので、彼女が何を言わんとしているか理解はできても実感はなかった。きっと財産家だから諍いが起こるのだと思っていた。

でも母が亡くなってからの兄の態度を見て、オレッタが言わんとしていたことを肌で感じることになった。我が家には雀の涙ほどの財産しかなかったにも関らず。


オレッタと私には母と娘ほどの年齢差があったが、「70代になると友達が死んでいくの。」と、彼女の家で知り合う人の多くは、私と同年代やもっと若い人も多く、若い人に囲まれているのが嬉しい様子だった。


頻繁に招待されたのは木曜の夜のサロンと、日曜のランチ。


木曜の夜のサロンはメジャー新聞の記者や大学教授などを招待して文化的なテーマについて話し合う、所謂「プライベートな文化サロン」というもの。

イタリアやフランスの都市部ではそういう集まりが多く、サロンに集まる人の質によってはその都市の文化に大きく貢献することもある。

内容はそれなりに面白かったが、来ていた人達の間には友達同士の集まりのような暖かさ優しさはなく、誰かが先に帰ると、その帰った人の批判を他の誰かが始めると言う場面に何度か遭遇し、ある時期から招待を辞退していた。


木曜のサロンに行かなくなった後もよく招待も受けたのは日曜のランチ。

これは少人数で同席した人によっては楽しい時間を過ごせた。


いつもオレッタが作るプリモ・ピアットのパスタは、当時出始めだった「クアトロ・サルティ・パデッラ・フィンデュス」というインスタント食品をソースにしていた。それが結構よく出来た、なかなかの味のものだった。インスタント食品にありがちのジャンクな感じがしない。流石イタリア。


普通の他のイタリア人にとっては日曜のランチというのは家族が集まる大切な機会なので、「日曜のランチによく招待してくれる人がいつもクアトロ・サルティ・パデッラ・フィンデュスのパスタを出す。」と話すと、皆下向きになってクククッと笑っていた。


でもオレッタはお料理云々はどうでも良く、「一緒に食事を過ごす時間」に重きを置いていた。

家庭での会食はお料理上手だけの特権で無い、という彼女の考えは、私も好きだ。

もちろんお料理が上手と言うのは素敵なことだけど。


そんななので、セコンド・ピアットも手の込んだものは作らない。流石にインスタント食品が出されたことはないが簡単で美味しいものが多く、よくこの棒状の冷凍の鱈のレモン風味のソテーは頻繁に出された。極めて簡単な上、美味しい。

時々早めに行って手伝いをしたので、自然と覚えてしまった。


オレッタは若い頃長く精神分裂を病んでいた結構複雑な人物で、人柄についてはまだ書きたい事もあるけれど、今回はこの辺で。





<材料> 2人分 *写真は1人分


・鱈 冷凍または生のもの  300g 

*今回は意図的にオレッタがいつも使っていた棒状の冷凍鱈を使用しています。


・ミックススパイス 化学調味料不使用

*自分で作る場合下記の材料を各少量ミキサーで粉末にする。


乾燥ローズマリー

乾燥ニンニク粉

乾燥セージ

乾燥ジュニパー

乾燥ローリエ

乾燥オレガノ

乾燥パセリ

・レモン 1個


・小麦粉 少々


・オリーブオイル




<作り方>


1・冷凍タラを使う場合、先に冷蔵庫内で解凍しておきます。

*オレッタは冷凍のものをそのまま火にかけていましたが。。。


2・フライパンにオリーブオイルを入れ、よく熱します。




3・2を待つ間に1のタラに軽く小麦粉をまぶします。




4・3のタラを2のフライパンで各面焼き、途中でミックススパイスを振り込みます。





5・特に冷凍のままのタラを使う場合は、中まで火が通るように弱火から中火くらいで蓋をして焼きます。




6・その間にレモンを絞っておきます。




7・概ね火が通ったら、6のレモン汁を振り掛けて出来上がり。






#鱈のソテー

#たら

#冷凍タラ

#簡単料理

#レシピ

#レモン

#ミックススパイス

#イタリア家庭料理

#イタリア料理





0 件のコメント:

コメントを投稿