2024年6月21日金曜日

「イカしたパスタ、カラマラータ」=イカ型パスタのイカパスタ。言葉の遊び、視覚の遊び。


アイテム別に目次を作ってみたら、自分の食傾向を再認識することになった。

魚料理はイワシばかり。好きだし、安いし、健康にも良い。。でもそのうち別の魚の料理も載せます。

パスタはスパゲッティーやリングイーネなどの麺類ばかりで短いパスタを使っていない。。。

そこで麺類ではないパスタ料理を一つ。


一見ゴージャスですが、ごく基本的な作り方の簡単なパスタです。

イカを捌くのが面倒な時はイカリングを買ってきてもOK。


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美術大学時代、工業工芸デザイン科で陶磁器専攻学生のための実習室として陶磁工房があり、ちょっと感じの良い器を手にすると持ち上げたり、裏返したりして、高台の感じや、作った作家や工房の名をチェックすることを陶磁工房の人的態度をとる、という意味で「陶磁コウボる」と言っていた。誰かが出された器を即手に持って裏返すと「またー!陶磁コウボってる!」と冷やかしたりしていた。これは名詞を動詞化した造語。


日本語でもっと一般的な例だとメモ>メモる、パニック>パニクるなどがありますよね。


そんな言葉の遊びがイタリアにもあり、友達と軽くピザを食べに行こうと言うのを「今日はピッツァータどう?」と言ったり、夕食会というほど大袈裟ではなく、家で友達と集まって軽くスパゲッティーでも食べようと言う時に「スパゲッタータするけど来る?」などと誘われたりする。


文法的に言うと名詞を動詞化しそれを更に過去分詞に変形させて使う。

口語の言葉遊び。


そんな感じで「カラマラータ」というパスタ料理がある。


イタリア語でイカはカラマリという。

カラマリを動詞化したらカラマラーレになり、語尾は人称により変化する。

カラマラーレを過去分詞にするとカラマラート(男性形)またはカラマラータ(女性形)となる。

パスタは女性名詞なのでカラマラーレしたパスタはカラマラータとなる。


まずパスタ。

直径3cmくらいで高さは2cm弱、ちょうどイカリングのような形状のパスタのことをカラマリを過去分詞にしてカラマラータと呼ぶ。(たまにカラマリ=イカ、と直接的に呼んでいるパスタメーカーもある。)


そしてそのイカリング型のパスタと本物のイカリングを使った具の料理の名前がカラマラータ。つまり「イカした」パスタ料理ということになる。


ネーミングは言葉の遊び。


イカリング型のパスタが本物のイカリングと混ざっているのは視覚の遊び。


ナポリ生まれのパスタ料理です。

流石ナポリ人はユーモアのセンスが秀逸だ。

いかしている。(駄洒落。。。しかも今では死語に近い???💦


*若い読者のために注釈を加えますと。「いかしている」というのは海の烏賊とは無関係で、かっこいい、なかなかいい、という意味の 昭和三〇年代から四〇年代に、若者の間で流行した俗語です。個人的には今まで使ったこと無い言葉でした。


*****


このカラマラータは昨年クリスマス頃、在ミラノのお料理上手のユキコさんがFBに写真を載せていて、こういう料理があることを知った。


以前ナポリの方から美味しいパスタを取り寄せた時に、形と名前の面白さに惹かれて買ったカラマラータというパスタ、どうやって使って良いか分からずまるまる一袋残っていたので早速挑戦。


でもトマトピューレを使うとベッタリした仕上がりになるので、投稿はハウス栽培でないしっかりした味の新鮮なトマトが出回る季節になるまで待っていました。


レシピはユキコさんの写真を見てから色々なレシピを比較して作ったものなので、アフターレシピのエピソードはありません。


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<材料>  2人分

 

・カラマラータ=イカリング型パスタ 160g

*入手が難しい場合は普通のパスタでも味は変わりませんが、視覚の遊びはなくなります。


・イカ 1杯 250g-300g (捌く前で)


・ニンニク1カケ


・生唐辛子 ない場合はペペロンチーノで代用 小さいもの1個

*多いと辛さで折角のイカの風味を壊すので、小さいもの1個で十分です。


・プチトマト(味の濃いもの)200g


・濃縮トマトペースト 約12g


・白ワイン 50ml


・イタリアンパセリ 一掴み


・エキストラヴァージン オリーブオイル


・胡椒



<作り方>


1・イカは皮を取り、足を引き出し目と口と骨を除き輪切りにして、胡椒とオリーブオイルを塗しておきます。

*イカは火を通すと縮むので、仕上がりが似たサイズになるように、パスタよりやや長めに切ると良い。



2・イカの下処理が終わったタイミングで、鍋にパスタ用の水を入れ火にかけます。


3・温めたフライパンに1を投入し2、3分炒め、火から下ろす前に白ワインを振りかけ、アルコール分を飛ばしたら、別の容器に取り分けます。

*トマトと一緒に煮込む人もいるようですが、イカはあまり長く火を通さない方が柔らかく、おいしく食べられるので最後に加えます。




4・同じフライパンは洗わずに、オリーブオイルを入れてニンニクと唐辛子を炒めます。

*ニンニクを食べたくない時は写真のように潰して丸ごと入れ、後で取り出すと香りだけたのしめます。そのまま食べたい場合はみじん切りにして炒めます。




5・ニンニクに少し色目が付いたら(カリカリにはしない程度)半分に切ったプチトマトと濃縮トマトペーストを投入し中火で炒めます。




6・その間にパスタの湯が沸騰したら塩を加えてパスタを投入し茹でます。


7・6は焦げない様に必要があれば7の湯を少しずつ加え加熱を続けます。




8・パスタを指定時間の半分程度茹出たら茹でた湯を捨てずに取り出し8のフライパンに投入し、ソースの中でパスタに火が通るように湯を徐々に加えます。




9・イタリアンパセリは時間を見つけてみじん切りにしておきます。




10・パスタが丁度いいいい硬さになる2、3分前に水分もほぼなくなるように加減し、4のイカと汁とイタリアンパセリの微塵切りを加え、パスタがちょうど良い硬さになったら出来上がり。












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